5.1chで映画を楽しみたい。BGMで、無指向性に音楽を流したい。そう思ってヤマハ製のAVアンプを買ったのが、5年ほど前。
でも、いかにもホームシアター風の部屋になってしまうのは嫌だと思い、ずっとフロントスピーカー2個のみ、2chのままでした。
そして、やっと今回見つけたのが、長岡鉄男氏設計のスワン型バックロードホーンスピーカーをアレンジした『コサギ』。ひと目で気に入りました。形がユニークでかわいい。そして耳の位置にスピーカーが来るように設計されていて、スタンド無しで、リアスピーカーとしての役割を果たしてくれる。スピーカーサイズはたったの6cm。でもよく考えられたバックロードホーン。定位がよく、気持ちの良い低音が響きます。
ソファーの後方に置いた『コサギ』。
雑誌『stereo』の企画商品で、スワン型スピーカーを炭山アキラ氏がアレンジ、設計したもの。
オリジナルの自作キットは売切れ。でもヤフオクで、個人の方が、ほぼ組立済みの『コサギ』を販売されていて、それを購入しました。
(自分で組むと、2本で部材は68枚。一からの組み立てはとても大変です。購入した後で気づきましたが、大阪日本橋のシリコンハウスさんで完成品を販売していました。)
ヤフオクで落札後、到着した状態。スピーカーとターミナルの組み込みだけが必要です。
指定のスピーカーは、雑誌の付録でしか購入できません。
雑誌と言っても、20ページほどの小冊子が付いているだけで、あくまでもメインは付録のスピーカー。
このスピーカーは、パイオニア製6cmフルレンジ OMP-600。小さいですが、マグネットの方が振動部より大きく、小容量のエンクロージュアでも低音が出せるように設計されています。
スピーカーコードにターミナル、そして普段電子部品の組み立てをしないので、ハンダゴテのセットも購入。全て日本橋のシリコンハウスさんで購入しました。店の人が親切に教えてくれて、販売中のコサギも視聴させてもらいました。(歯切れの良いいい音でした。)
ターミナルを取り付ける為、エンクロージャに丸い穴を開ける必要があります。ホームセンターでインパクトドライバーに取り付ける『自在錐』を購入しました。
空けたい穴の直径に合わせて、歯の位置を六角レンチで調整します。
失敗すると後戻りできないので、試しに不要な板に穴を空けました。
無事、穴にぴったりターミナルが入りました。
今度は本番です。まず、スピーカーのエンクロージャ、頭の部分の中心に目印を付けます。
目印にドリルの中央を合わせて、スイッチオン。まず、ドリルが入り、その後、周りの歯が穴を空けていきます。
空いた穴に、ターミナルを取り付けます。ターミナルの裏側には、ゴムが付いていて音漏れを防いでくれます。
次にスピーカーを取り付けます。
初めてで、きれいには出来ませんが、とりあえず、あとで断線しないようにガッチリ取り付けます。
スピーカーもネジ止め。
木工用ボンドで、胴体に首の部分を止めます。
最後に、首に頭を付けます。
完成です。
少しエージング(慣らし)が必要ですが、出だしからなかなかの音です。シャカシャカではない、小気味良い音。高音と低音のバランスも好きです。
スピーカーの後ろから発生した音が、くねくね折れ曲がったバックロード(音道)を通って、低い音になって出てきます。
場所は、ソファの斜め後ろ。リアスピーカーの位置としては、少し真後ろ過ぎますが、音場の調整をヤマハのYPAOが、自動でやってくれます。専用のマイクを視聴位置に置いて、ボタンを押すだけ、1分ほどで音響特性を測定し最適化してくれます。
(普段は壁に付けた位置に設置して、がっつりホームシアターを楽しみたいときは、少し前に出そうと思います。そのたび、YPAOの調整は必要です。)
音は最高です。フロントスピーカーとの相性を心配しましたが、まった違和感はありません。
一般的なホームシアターの感想だと思いますが、音の立体感が、映像の立体感も感じさせてくれます。
音楽でも、音に立体感が出て、ミュージシャンがそこに居るように感じられます。あまりボリュームを上げなくても、部屋中に音が広がる感じ。個人的な感覚ですがわたしは一方の方向から音楽を聴いてると段々と疲れてくるのですがリアスピーカー追加で聴くとそれが無くなり大袈裟に言うと体が楽です。とてもリラックスしながら音を楽しめます。音の方向性って何かあるような気がします。
そして『コサギ』の姿が、既存のスピーカーと違いユニークで愛着が湧きます。
カタチは好みがあると思いますが、ホームシアターのリアスピーカー、映像や音楽を楽しむのにとてもおすすめです。
この Seu Jorgeのアルバムを聞いた時、近くにセウ・ジョルジがいて歌ってると思いました。
アコースティックギターの弾き語りなのでかなり近い感じ。
このアルバムは、ほとんどがグラムロックのころのデヴィッド・ボウイの曲のカバーですがアコースティックバージョンでポルトガル語、低くかすれた声で歌う曲は、違った印象で温かく心に沁みます。
あと今、楽しみにしているのがクラシックのDVD入手して5.1chで観ることです。