兵庫県にある西宮ガーデンズで、ふらっと催事場に立ち寄ったところ、とても魅力的な魚の形のお皿を見つけ衝動買い!
たくさん種類があった中で、そのときは厳選した1枚だけを購入したのですが、あとから「他の種類も買っておけばよかった…」と後悔しました。
展示の名前「魚の器展」と「DESSE」というブランド名を頼りにインターネットで探し回り、作っていらっしゃる方に連絡をとることに成功!
他の種類のお皿も購入させていただきました。
お皿を購入する気は全く無かったのに、ついつい買ってしまったそのわけは、やはりこのリアルな姿。
鱗といい、ヒレといい、これぞ鯛という目の上のアイシャドウといい…。とにかく気に入りました。
鯛のお皿もこれだけではなくて、何匹もいたのですが、1つ1つ表情が違います。一番好みの1枚を連れて帰ることにしました。
西宮ガーデンズには、製作者さんのお嬢さんがいらっしゃっていて、「うちのお父さんが焼いてるんですよ。西宮に自宅はあるんですけどね。うちではこのお皿にお刺身を乗せて食べたりしてますよ」と気さくに話かけてくれました。
私とオットも「これに釣った魚の刺身を乗せたら良さそう!」と話をしていたので、嬉しくなりました。
見れば見るほどリアルで、他のも買えばよかった!と思い始めました。
ひょっとしたらインターネットで購入できるのでは?と考えて調べたのですが、見つかりません。
ただ、過去にイベントに出店していた際の資料が残っていて、そこに電話番号が!
藁にもすがる思いで電話を掛けたところ、繋がりました!!
現在は取扱店はなく、インターネット販売もしていないそうですが、自宅へお伺いすれば購入できるとのこと。
早速行ってきました。
写真は購入した石鯛のお皿。
アトリエDESSEの作品を作っているのは、大浦光男さん。
太鼓職人をしながら、陶芸の作品作りもおこなっていると聞き、驚きました。
約25年前に趣味として始めた陶芸。当初は手びねりで魚の箸置きを作っていたそうです。
それが、友人の目に止まり、「面白いやん!これ売ったるわ!」と。
そのときは売れなかったそうなのですが、少しサイズを小さくしてみたところ、「びっくりするほど売れた」のだとか。
そこからは、お客さんからのオーダーに応じて、お皿をつくったり、徳利をつくったり…。
釣り好きな方からは、「これは○○(魚の名前)じゃないわ~」と言われることもしばしばだったそうです。
「10~15年たってようやく納得のいく、釣り好きな方にも認めてもらえる作品を作れるようになったが、まだまだ。終わりはないんじゃないかな」と大浦さん。
飽くなき向上心が釣り好きのハートを掴むのだと確信しました(我々夫婦もそのうちの1組)。
製作にあたっては、図鑑も見るし、スーパーの魚売り場などでも観察は欠かさないそうです。
形はある程度完成させることができても、難しいのが色。
釉薬の掛け方はもちろん、窯のどこに置くかによっても仕上がりが全然違うそうです。
なかなか思い通りの作品ができないからこそ、製作に打ち込めるのかもしれません。
これは「ちょっと傷が入っちゃったから、あげるよ。使うのには問題ないから」といただいてしまったカレイの大皿!
いつかはこれに、自分が釣ったカレイの刺身を並べたい…!とワクワクさせてくれるお皿です。
打って変わってこちらは小さな箸置き。メバルです。
このくらいのサイズなら、さすがに型抜きで製作しているのだろう…と思ったら、1つ1つ手作りだそうです。
「1つ1分くらいで作るよ」と聞いて更にびっくり。
目の前で実演してもらいましたが、もうあっという間に出来上がります。
「手早くしないと土が乾燥してしまうから」
おっしゃる通り、試しに作らせてもらいましたが、もたもたしている間にどんどんひび割れてしまいました。
魚の表面はタオルを使ったり、梱包用のテープを使ったりして質感を出していました。
「みかんとか玉ねぎのネットを使おうとしたときもあるんやけど、あれだと柔らかすぎるんよね」
なるほど!私はてっきりネットを使っていると思っていました。
1200度でしっかりと焼いているため、お手入れは特に気にすることはないそうです。
大浦さんのご自宅には10年選手もいるとか。
洗う時にぶつけてヒレを割ってしまう人が多いのでそこだけは注意。
電子レンジも、冷凍庫も大丈夫。
手作り作品ということで少し身構えていましたが、安心してデイリーユースできます。
お値段も鯛の皿は3,000円、箸置きは700円~とお求めやすい価格。
作り手の苦労や工夫、作品作りへの情熱を聞いたことで、ますます愛着が湧きました…!
今後も大切に使っていきたいと思います。