ハルは1905年にオハイオで創業した陶器会社で、実用的な食器やタイルを生産していたが、安価な外国製品との競合や労働組合のストライキに打撃を受け、1986年に廃業。
たぶん、いま目にするものは古物かデッドストックだろう。もう会社は存在しないが、アメリカにはハル陶器の愛好収集家や元従業員が設立した、ハル・ポトリー・アソシエイションなる団体もあるらしい。
サイトをのぞくと食器だけでなく、陶器製の豚の貯金箱やカエルの置物など、見ていてるだけで楽しくなる写真がアップされている。オークションや展示会も開催しているようだ。
このマグもアメリカのヴィンテージものを扱う店で見つけた。
手に取ると、見た目どおりずっしりと重い。生地も厚く、上から垂らした釉薬のかかり具合や色合いなど、アメリカの工業製品らしからぬ素朴さがある。
丸い穴の取っ手は、一見、持ちにくそうな印象だが、意外と使い勝手はいい。
このところは、このカップでカフェオレを飲むのが保養のひとつになった、というくらいの惚れ込みよう(笑)。
カップの底面にはOven Proofと印字されている。耐熱の意味だが、アメリカではマグをオーブンに入れることがあるのだろうか?
カップにミルクを入れて、電子レンジで温めているがとくに問題はないみたい。
いままでたくさんのマグを買った。どれも普段使いにしているから、うっかり割ってしまうこともある。
お気に入りのマグが割れたときは、なぜか悲壮な気分になったりするものだ。
だからといって、消耗品のような感じで買い足すものでもない。
なにげなく、毎日手にする食器だから、存分に自分のこのみを反映させたいな、といつも思っている。