nipperさんの子供部屋のクロゼットのレポートです。
自宅のリノベーションのほとんどを自ら設計し、一部施工も行なったnipperさん。子ども部屋のクロゼットの造作にも抜かりなく、nipperさんならではのアイディア、作り込みがあります。
クロゼットの表面材には焼物をのせるために使われていた古材、桟板(さんいた)を使用。機能性にも配慮しています。
これは子ども部屋のクロゼット。下には引き出しが2つあり、上部はハンガーパイプを通しているだけのシンプルなものです。
扉は付けずにロールスクリーンで仕切るだけに。引き出しよりもロールスクリーンを奥に設置しているので、引き出しに腰を掛けることもできます。
当初のイメージ図(nipperさんの手書き)
当初は扉を付ける予定でした。最終的にはロールスクリーンになりましたが、既にこの時点で、少し引っ込めた位置に仕切りを設置することを決めていたのがわかります。
写真は施工中の様子
左側がクロゼットになる部分です。
クロゼットの下の部分、床も兼ねた引き出しの枠はコンパネで造作。桟板は焼物を乗せて乾かしたり、運んだりするときに使う板で、それほど厚みのあるものではありません。強度を確保するため、骨組みにはコンパネを使っています。
また、使った桟板は多少の歪みがある古材です。平らなコンパネにしっかり沿わせるため、たくさんの万力を使って、接着固定しています。
クロゼットの引き出しが完成。
床材と一緒に蜜蝋ワックスを塗って仕上げています。子どもたちもお手伝い。
箱も同じく、コンパネ材で作成し、引き出し本体よりも前板を大きくするアウトセット納まりで、前板に桟板を張っています。
構造のコンパネが見えないように、天板の小口(引き出し上の細長い部分)にも桟板を接着しています。
そして、天板の小口と2つの引き出しの木目を、すべて合わせているのもポイントです。
また引き出しに接着した桟板には、よく見ると丸い器の跡が残っています。
ハンドルも錆の出たアンティーク。無骨なフォルムです。
子ども部屋の全体の様子。
子ども部屋は、床以外は壁も天井もすべて白。このクロゼットの引出し部分がすぐ目に入ります。
古材の中でも薄めの桟板を使っていますが、コンパネを骨組みにすることでしっかり強度も確保。さらに貼り合わせた板の木目をも合わせる徹底ぶり。細部にこだわってこその美しさがあります。