玉切りが終われば次は薪割り。どうも薪割りは薪をストーブにくべる直前に行うものと誤解されている人が結構いるようだが、実際はそうではない。薪割りは、薪をストーブにくべ易いサイズにすることが主目的ではなく、薪を乾燥させ易くするのが主目的なので、冬場に薪割りをしているあの薪は、翌年又は翌々年に使用する薪なのです。薪割りをして表面積を増やして乾燥を促進させる、これが薪割りの意味。冬に薪割りをしているイメージがあるのは、木が水を吸い上げる春から夏に伐採した木は水分が多いため、薪用の木は水分の少ない秋から冬の間に伐採を行うためだろう。
秋から冬に玉切り・薪割りを行った薪は、1〜2年かけて乾燥させて、ようやく薪ストーブに入れて燃やされることとなる。北国で24時間フル回転で薪ストーブを燃やしているヘビーユーザーで、乾燥具合など気にせずに燃やしているという人もいるようだが、そうでもない限り、しっかり乾燥させた薪を使用しないと煙突内に煤がつき易くなり、煙道火災の原因となる。
ともかく、玉切りをした薪を割るには、先ず、斧を使用する。硬い木や斧では割るのが難しい薪の場合は、クサビとハンマーを使って割る。勿論世の中には薪割り機という便利なマシーンもあるが、そういった文明の利器とは今の所縁がない。
クサビの使用方法は簡単で、玉切りした薪の割れ目に先ず先の尖ったクサビを打ち込む。1つのクサビを打ち込むだけで割ることができればそれで良いが、1つのクサビだけでは割ることができず、最初のクサビが木の中に取り残されてしまうことがある。こういった場合にレスキュー用のクサビを他の割れ目に打ち込んで、薪を割り進めつつ最初のクサビも救い出す。クサビはこのようにして使うため、少なくとも2本以上必要で、我が家では3本ストックしてある。
斧を使っての薪割り。
斧だけでは割ることが困難な薪の場合はクサビとハンマーを使う。
先ず、薪の断面の割れ目にクサビを打ち込む。
打ち込んでいくうちに、音を立てながら薪が裂けてくる。
木に食い込んでいるクサビのアップ。
そのままクサビを打ち続けると、真っ二つに割れる。
普通の斧でクサビを打つと斧は割れてしまう(当たり前です)。
斧でクサビを打つのなら、槌付きの斧を使用しましょう…
ちなみに、クサビを打ち込んでも薪が割れず、クサビが抜けない状態になってしまった場合は、別の割れ目にもう一つのクサビを打ち込んで、先のクサビをレスキューする。太い薪や、整形でない薪の場合、(枝分かれした部分や湾曲した薪材の場合など)こういったケースはよくあるので、クサビは必ず2つ以上必要となる。