nipperさんのキッチン背面にある造付け棚についてのレポートです。
暖かみのある食器たちが並べられた造付け棚。nipperさんが設計・セルフビルドしたものです。サイズはもちろん、棚板やその固定方法にまでこだわりがあります。
キッチン背面の造付け棚。
設計からnipperさんが手掛けています。
その時の手書きの設計図(※一部エアコンの位置などが変更になっています。)
nipperさんは、自宅のリノベーションに関していくつもの設計図を作成していますが、工事の内容や着手するまでの時間など状況に応じて、図面作成をPCのソフトウェア(イラストレーター)で行うか、手書きで行うかを使い分けています。
以前の住まいで使用していたアイアン製のハシゴ(オーダー品、約4.5万円)をここで使いたいと考えていたnipperさん。このはしごに合わせてサイズを考えたそうです。
はしごを受ける部分を丸い形状にしたのは、40kgもあるはしごを滑らせて移動できないか…とのアイディアから。「でも、やっぱり重たくて移動できませんでした(笑)使っていて、動かしたいと思うこともないんですけどね」とnipperさん。
施工中の様子
構造材で枠組みを作ります。右から2本目の壁の上部が開いているのは、この部分にエアコンを取り付けることにしたため。梁が両側を通っているため「少しでも大きかったら入らなかった」そう。
上から漆喰を塗るために、石膏ボードの継ぎ目などを処理、合わせて構造材にも下地材を塗ります。
ほぼ漆喰塗りが終わりました。
右下の部分には、アンティークの引き出しを入れています。
棚板の固定方法についても検討の跡が。
「ダボのようなもので固定するか、市販の金具を使うか、L字型の金具を使うかを考えていましたね。結局、加工も簡単なアルミ製のL字型アングルを使用することに決めました」(nipperさん)
アングルは、サイズを20mm×20mmから10mm×10mmに変更して、図面とは逆向きで設置しています。
棚板に使用したのは、陶器を制作する際に使う板(古材)。陶器の素地を乾燥させる際に並べる板なのだそう。
「他のところには足場板を使用していますが、足場板は厚みが35mm前後と分厚いので、すっきり見えません。なので、ここには使いませんでした。この板は薄いですが、わりと強いので食器も問題なく置けています。」とnipperさん。
幅は約200mmなので、奥行きのあるところには2枚並べて使用しています。
また、最下段の棚には別の板が使われています。
「ここは作業をすることもあるだろうと思ったので2枚並べるのではなくて、1枚物がいいかなと。この板は着物の『洗い張り』に使われていた板です」(nipperさん)
フローリングに使うこともあるそうですが、元々着物を洗って糊付けするときに使う板。糊で滑りやすいので注意が必要だとのこと。
下の棚の高さはキッチンと同じ850mmに、2段目の棚は冷蔵庫と同じ高さにしています。