空間デザインの森田です。
タイルとは、粘土などの原材料を練り、成形・着色後に高温で焼成したもの。
タイルには様々な種類があり、
例えば、素地(きじ)の粗密度や釉薬の有無、用途による違いなどによって、いくつかの分類方法があります。
その中でも今回は【釉薬の有無】についてご紹介します。
釉薬(ゆうやく、うわぐすり)とは、粘土や灰を水に混ぜた液体のこと。
釉薬は高温で焼き上げると、ガラス質となってタイルの表面を覆います。
もともとタイルの表面には細かい気孔が空いているのですが、ガラス質がその穴をふさぐ形となり、つるっとした表面に。
このように釉薬をかけて焼き上げたタイルを「施釉<せゆう>タイル」と言います。
表面に凹凸がないので汚れがつきにくく掃除も楽。
強度や耐水性もアップします。
また、釉薬には様々な種類があるため、色や質感のバリエーションも豊富。
一方、釉薬をかけず、そのまま焼き上げたタイルを「無釉<むゆう>タイル」と言います。
原料そのものの色や、顔料を混ぜ込んで着色しているので、色のバリエーションは施釉タイルよりも少なめ。
ざらざらとした質感が特徴で、土本来のぬくもりを感じることができます。
しかし、そのざらざらが汚れやすい原因…。
そのため、「うす釉」といって、無釉タイルの特徴を失わない程度に薄~く透明な釉薬を施釉しているものもあります。
釉薬の有無は色合いや質感だけでなく、機能面にも影響を与えています。
汚れの付きやすさや、吸水率、滑りやすさ、耐久性などの機能面にも注意して、どの場所にどのタイルを使用するかを決めることがポイントです。