ウィル空間デザインの羽根渕です。
今回はマンションに必ず存在するパイプスペースを、発想の転換で、うまく利用した事例をご紹介します。
パイプスペース、略して『PS』。
PSにはマンションの共用部分である縦配管が入っています。トイレ、洗面、キッチン、浴室といった水回りの排水が通る管です。
リフォームで間取り変更をする際にはこのPSの位置が重要です。
PSは共用部分のものなので移設することができません。ですので大きく間取り変更をし、
水回りの位置を変えたい!と考えられている方は要注意です。
多くのマンションには部屋の角やトイレの横などにあることが多いのですが、稀に部屋の中央にあることも…。
今回、ご紹介する事例の施主様のご要望はLDKを広くして対面キッチンにしたいというものでした。
しかし、現地を調査してみるとなんとLDKの真ん中にPSが存在していました。
PSが動かせないので、PSを避けたプラン計画をしましたが、最終的にあえてこのPSをタイル貼りにして「LDKの大黒柱」にしようという事に。
柱にはブリックタイルを施工し、アクセントとしてオレンジ色を入れています。さらにこの柱をより目立たせるためにアンティーク調のブラケットライトをつけて照明計画もしています。
PSは邪魔なものと考えられがちですが発想を変えることで、空間を彩るアイテムになります。
あるマンションの図面。
トイレ、ユニットバス、キッチンの横にPS(パイプスペース)があります。
PSは動かすことができないので間取り変更の際には要注意!
ここからは今回の事例の写真です。
こちらは解体前。キッチンカウンターの横にPSが...。(赤矢印部分)
LDKの真ん中にあります。
解体後。
柱を撤去してみるとやはり配管が出てきました。(写真中央の白い管)
上階からくる排水とこの部屋のキッチンの排水をつなぐ配管です。
アフター。
動かすことのできないPSはブリックタイルを張り、アクセントに。
さらにアンティーク調のブラケットライトをつけることで存在感が増しています。