【ちいさなおうちの誕生秘話④ -和室-】
4.5畳ある和室をリノベーションする時のテーマは掘りごたつのある和室。冬場に掘りごたつで鍋を囲めるような和室がイメージです。
用途としては、前述の和室としての他に、来客用のゲストルームとして、また、子供ができたとき子供が遊べるキッズルームとしての用途を想定してデザインをしました。
まず掘りごたつを作るにあたって、全体をかさ上げして小上がりのように仕上げます。
この際真ん中だけ穴として残すことで掘りごたつにしています。
まず最初に部屋の用途を総合的に勘案して小上がりの高さを35cmに設定しました。
これは、大人が腰かけて不自由ない高さで、なおかつ大人が小上がりの上で立ち上がっても
天井の圧迫感を感じないぎりぎりの距離感を保てる高さ、
そして、動き出した乳幼児が落ちたとしてもさほど心配にならない高さ。
それらを考慮して、35cmとしました。マットレスをのせたベットよりも少し低いくらいの高さです。
もちろん客間としての用途も兼ね備えているため、掘りごたつの開口部は通常の畳でふさぐこともできますし、
ふすまで仕切ってひとつの独立した和室とすることも可能です。
用途に応じて隣接する空間と緩やかにつなげられるスペースを目指しました。
小上がりの下はすべて収納スペースになっています。
畳4枚分のスペースがあり、引出を手前に引き出して使います。
ここに来客用の布団や冬用の毛布、掃除機やアイロン、
この部屋を仕切るときに使用するふすままで全て入っています。
また、格子風の仕切りをはめこみ、アクセントとしています。
そして、もうひとつのアイデアがこれ。
隣接するキッチンとの間に開き戸を設けました。
何のためかと言いますと、和室で鍋をするときに、料理や、お酒、酒器等が
ここから出せるとかっこいいし、便利だろうなあと思って。
第2の目的は、窓がないキッチンに少しでも外部の光を通すためです。
実際これがあるため、昼間電気をつけなくてもキッチンが真っ暗にならなくて済みます。
もちろん、客間としての利用も想定しているので、濃いめのすりガラスにして中は見えない
ようになっています。
そして、第3の目的が、キッズルームとして使用した時、
子供の様子がキッチンで用事をしながらでも見えるようにするためです。
実際この小窓のおかげで、いちいち隣の部屋の子供の様子を気にせずに済みましたし、
子供の方も親の姿が常に見えているので、安心していたようです
(というか窓から覗いて遊んでました。子供ってこういうの好きですからね)
また、引き戸の上部には酒器を収納する棚を造作、
和室側にもキッチン側にも扉をつけ、
利便性を考えて両方から使えるようにしました。
壁はピンクががかった珪藻土をラフな風合いで塗ってもらいました。
珪藻土をピンク調にしたことで、間接照明の光を
じんわりと反射して、とても暖かな雰囲気になります。